Moscone Northから展示会場(地下にあります)に降りると、GoogleほかUnreal(Epic Games)、Unity、AWS game tech、Microsoftといった企業の大きなブースが目に入ります。いずれも大きな人だかりが出来ていました。
今回、一番注目を集めたのはGoogleです。3月19日にGoogleは様々なデバイスでインターネットを通じてゲームをプレイできるサービス「Stadia」を2019年内に北米と欧州で開始すると発表しました。
Stadiaは、デバイス側は画面表示とユーザーの操作だけに特化して、ゲームのために必要な計算処理は全てGoogleのクラウド側で処理するという、まさにクラウド時代のゲームシステムです。サービスはゲーム会社にとっても、ユーザー側にソフトを送る必要がない=ソフトをクラックされるなどの危険がない、クライアントソフトのバージョン管理が要らない、というメリットもあります。これはセキュリティを根本的に改善できる可能性があります。また、障害が起きた場合に、その原因が調べやすくなることも期待できます。
実際にどのくらい「使える」ものなのか。同社のブースでは大画面のディスプレイとPCなどが置かれており、メジャーなゲームタイトルがいくつか試せるようになっていました。
触ってみると、ネットワーク越しにアクセスしているとは思えないほどにサクサクと動きます。これが現実の、つまり自分のインターネット環境でも実現できるのであれば、買いだと思います。
一方で、先にも書いたように、Googleとユーザーの間のネットワークが太いものでなければ品質やレスポンスを確保できない恐れもあります。幸いにというか、5Gの実用化が加速しているほか、GoogleはStadiaとメジャーな通信事業者との提携・接続強化を進めています。「Stadia ready」なISPかどうかがゲーム体験に影響するとなれば、日本の事業者も対応を迫られるでしょう。
さて、実は人気の面ではGoogleブースは控え目な印象で、Unreal、Unity、AWS game techではさらにたくさんの製品や技術をデモしていました。
こうした大きなブースが人を集める一方で、たくさんのゲーム開発会社が自社製品を展示しています。AR/VRを駆使したPCゲームのほかに、レトロな8ビットっぽいギザギザな絵のゲームも並んでいました。一世を風靡したゲーム専用機やアーケード機も展示されていて、大人が主役の展示会なのだな、と強く感じさせます。
AWS game tech では、サーバを瞬時に立てるツールやゲーム開発ツールなどをデモ。「game tech」自体は特別な製品群を指すブランド名ではなく、いわゆるアンブレラ名として使われており、AWS パートナー各社からサービス提供可能。
さらに、全体からすれば1割程度ですが、ゲーム会社向けの開発ツールなどのベンダーも多数出展しています。例えばジオデータの扱いや3Dオブジェクトの扱いを容易にするツール、マーキング不要なモーションキャプチャーシステム、VRでの音響・音像を設計しリアルタイムにシミュレーションするツール、そして障害解析ツール、セキュリティなど。当社(Digital Stacks)が代理店を務めるArxan Technologies社もその中に交り、最新のAPPセキュリティ製品について説明していました。
有望と思われるものについて今後詳細情報をお伝えする予定です。ご期待ください。